されることでした。ここにあるのは女のお友だちの型で。そのからだと心の欠点がそのままここに保存されていました。
すぐまた、ほかの女のなかにはいっていきました。しかし、これは大きな神神《こうごう》しいお寺のようにおもわれました。無垢《むく》の白はとが、高い聖壇の上をとんでいました。よっぽどひざをついて拝みたいとおもったくらいでした。しかし、すぐと次の心のなかにはいっていかなければなりませんでした。でも、まだオルガンの音がきこえていました。そうしてじぶんがまえよりもいい、別の人間になったようにおもわれました。いばって次の聖堂にはいる資格が、できたように感じました。それは貧しい屋根裏のへやのかたちであらわれて、なかには病人のおかあさんがねていました。けれどあいた窓からは神さまのお日さまの光が温かくさしこみましたうつくしいばらの花が、屋根の上の小さな木箱のなかから、がてんがてん[#「がてんがてん」に傍点]していました。空色した二羽の小鳥が、こどもらしいよろこびのうたを歌っていました。そのなかで、病人のおかあさんは、むすめのために、神さまのおめぐみを祈っていました。
それから、肉でいっぱいつま
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