配人とけんかだ。
そこでじぶんの身の上のこと、
たれしもこれが、いちばん気になる。
それはみえます――だがまあいえない、
いずれそのときにゃ、しぜんと分かる。
ここにはいるひと、たれがいちばんしあわせものか。
いちばんしあわせもの。そりゃあ、まあ、わかります。
さようさ、それは――いや、まあ、ごえんりょ申しましょう。
こりゃあ、がっかりなさる方がおおかろう。
では、どなたがいちばん長生きなさるか、
こちらの殿方か、あちらの奥さまか、
いや、こんなこと申さば、なおさらごめいわく。
すると、これか――いや、だめだ――あれか――だめだな、
さあ、あれもと――どうしていいか、さっぱりわからん。
なにしろ、どなたかのごきげんにさわります。
いっそ、皆さまのお心のなか、
それなら目がねも見とおしだ。
皆さん、かんがえていますね。いや、なにかのぞんでおいでかな。
くだらなすぎるというように。
きさま、あんまりばかばかしいぞ、
くだらぬおしゃべりもうやめろ、
それが一致のごいけんならば
はいはいやめます、だまります。
[#ここで字下げ終わり]
この詩の朗読はなかなかりっぱなできで、演者は面目をほど
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