》の床《ゆか》の上を駆《か》け歩《ある》きました。すると長持《ながもち》の上に寝《ね》ていた二|匹《ひき》の猫《ねこ》が目早《めばや》く見《み》つけて、いきなり飛《と》び下《お》りて、ねずみを追《お》い回《まわ》しました。みんなは「あれあれ。」とさけんで、総立《そうだ》ちになって、やがて御殿中《ごてんじゅう》の大《おお》さわぎになりました。
これで勝負《しょうぶ》はつきました。芦屋《あしや》の道満《どうまん》は位《くらい》を取《と》り上《あ》げられて、御殿《ごてん》から追《お》い出《だ》されました。そして阿倍《あべ》の晴明《せいめい》のお弟子《でし》になりました。
底本:「日本の諸国物語」講談社学術文庫、講談社
1983(昭和58)年4月10日第1刷発行
入力:鈴木厚司
校正:大久保ゆう
2003年9月29日作成
青空文庫作成ファイル:
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