織《お》るところが見《み》たいという仰《おお》せだから、このかごに乗《の》って来《き》てもらいたい。」
といいました。
おじいさんとおばあさんは大《たい》そうよろこんで、瓜子姫子《うりこひめこ》に化《ば》けたあまんじゃくをおかごに乗《の》せました。お侍《さむらい》たちがあまんじゃくを乗《の》せて、裏《うら》の山を通《とお》りかかりますと、柿《かき》の木の上で、
「ああん、ああん、瓜子姫子《うりこひめこ》の乗《の》るかごに、あまんじゃくが乗《の》って行く。瓜子姫子《うりこひめこ》の乗《の》るかごに、あまんじゃくが乗《の》って行く。」
という声《こえ》がしました。
「おや、へんだ。」
と思《おも》って、そばへ寄《よ》ってみますと、かわいそうに瓜子姫子《うりこひめこ》は、あまんじゃくのきたない着物《きもの》を着《き》せられて、木の上にしばりつけられていました。おじいさんは瓜子姫子《うりこひめこ》を見《み》つけると、急《いそ》いで行って、木から下《お》ろしてやりました。お侍《さむらい》たちも大《たい》そうおこって、あまんじゃくをおかごから引《ひ》きずり出《だ》して、その代《か》わり瓜子
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