はずいぶんいい人だ。かわいそうにマチア一人では、とてもこれだけできやしない。
わたしは書きつけを二度読み直した。汽車が出てから四十五分……左手の小山……汽車からとび下りるのはけんのんな仕事だ。でもそれをやり損《そこ》なって死んでも、したほうがいい。どろぼうの宣告《せんこく》を受けて死ぬよりましだ。
わたしはまたもう一度書きつけを読んでから、それをくちゃくちゃにかんでしまった。
そのあくる日の午後、巡査《じゅんさ》は監房《かんぼう》にはいって来て、すぐついて来いと言った。かれは五十|以上《いじょう》の男であった。わたしはかれがたいしてはしっこそうでないのを見て、まずよしと思った。
事件《じけん》はボブが言ったように進んで行った。汽車は走り出した。わたしは汽車の戸口に席《せき》をしめた。巡査はわたしの前にこしをかけた。車室の中はわたしたちだけであった。
「おまえはイギリス語がわかるか」と巡査《じゅんさ》はたずねた。
「あまり早く言われなければわかります」とわたしは答えた。
「そうか。よし。それでは少しおまえに相談《そうだん》がある」とかれは言った。「法律《ほうりつ》をあなどらないよ
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