みたが、ごくちっぽけな紙きれをも見つけなかった。
わたしはその晩《ばん》ねむられなかった。つぎの朝|看守《かんしゅ》は水のはいったかめと金だらいを持って、わたしの部屋《へや》にはいって来た。かれは顔を洗《あら》いたければ洗えと言って、これから判事《はんじ》の前へ出るのだから、身なりをきれいにすることは損《そん》にはならないと言った。しばらくしてまた看守《かんしゅ》はやって来て、あとについて来いと言った。わたしたちはいくつかろうかを通って、小さなドアの前へ来ると、かれはそのドアを開けた。
「おはいり」とかれは言った。
わたしのはいった部屋《へや》はたいへんせま苦しかった。おおぜいのわやわやいうつぶやきをも聞いた。わたしのこめかみはぴくぴく波を打って、ほとんど立っていることができないくらいであったが、そこらの様子を見ることはできた。
部屋は大きな窓《まど》と、高い天井《てんじょう》があって、りっぱな構《かま》えであった。判事《はんじ》は高い台の上にこしをかけていた。その前のすぐ下には、ほかの三人の裁判官《さいばんかん》がこしをかけていた。そのそばにわたしは法服《ほうふく》を着て、かつ
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