に母屋《おもや》のドアをたたかないで、うまやのドアをたたいたというのでおこっていた。するとあの二人は巡査《じゅんさ》が見張《みは》りをしているからと言っていたもの」
「それできみは行かなければならないことがよくわかったろう」とわたしは言った。
「ぼくが行かなければならないなら、きみだって行かなければならない。それはぼくにだって、きみにだって、いいはずがないもの」「パリでガロフォリに会ったとして、あの人が無理《むり》にきみを連《つ》れ帰ろうとしたら、きみはきっと、ぼくに一人で別《わか》れて行ってくれと言うと思うよ。ぼくはただきみが自分でもするだろうと思うことをするだけだ」
 かれは答えなかった。
「きみはフランスへ帰らなければいけない」とわたしは言い張《は》った。「リーズの所へ行ってぼくがやくそくしたことも、あの子の父親のためにしてやることも、みんなできなくなったわけを話してくれたまえ。ぼくはあの子に、なによりもぼくのすることはあの人の借金《しゃっきん》をはらってやることだと言った。きみはあの子にそれのできなくなったわけを話してくれたまえ。それからバルブレンのおっかあの所へも行ってくれた
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