《ひと》りぼっちであったじぶん、かえってわたしはこのしゅんかんほどに不幸《ふこう》だとは感じなかった。わたしはすすり泣《な》きをしてしまったあとで、やっと気を落ち着けることができた。わたしがマチアを公園に連《つ》れて来たのは、かれのあわれみを求《もと》めるためではなかった。それはわたしのためではなかった。かれのためであった。
「マチア」とわたしは思い切って言った。「きみはフランスへ帰らなければならないよ」
「きみを捨《す》てて、どうして」
「ぼくはきみがそう答えるだらうと思っていた。それを聞いてぼくはうれしい。ああ、きみがぼくといっしょにいたいというのは、まったくうれしい。けれどマチア、きみはすぐにフランスへ帰らなければならないよ」
「なぜさ、そのわけを言いたまえ」
「だって……ねえ、マチア、こわがってはいけないよ。きみはゆうべねむったかい。きみは見たかい」
「ぼくはねむらなかったよ」とかれは答えた。
「するときみは見た……」
「ああ残《のこ》らず」
「そうしてきみはそのわけがわかったか」
「あの品物が、代《だい》をはらったものでないことはわかるよ。だって、きみのお父さんは、あの男たち
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