に手ぶくろなどがあった。まさしくこの男たちは両親の所へ品物を売りに来た商人であった。父親はいちいち品物を手に取って、ちょうちんの明かりで調べて、それを母親にわたすと、母親は小さなはさみで、正札《しょうふだ》を切り取って、かくしの中に入れた。これがわたしにはきみょうに思えたし、それとともに、売り買いをするのにこんな真夜中《まよなか》の時間を選《えら》んだということもふしぎであった。
 母親が品物を調べているあいだに、父親は商人に小声で話をしていた。わたしがもうすこしイギリス語を知っていたら、たぶんかれの言ったことばがわかったであろうが、わたしの聞き得《え》たかぎりでは、ポリスメン(巡査《じゅんさ》)ということだけであった。それはたびたびくり返して言ったので、そのためわたしの耳にも止まったのであった。
 残《のこ》らずの品物がていねいに書き留《と》められたとき、両親と二人の男がうちの中にはいった。そしてわたしたちの車はまた暗黒《あんこく》のうちに置《お》かれた。かれらは確《たし》かに勘定《かんじょう》をするために、うちの中にはいったのであった。わたしは自分の見たことがごく当たり前のことであ
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