と、なぜぼくがうちで晩飯《ばんめし》をもらわずに平気で出て行くか、そのわけを初《はじ》めて知った。それからはぼくにうちで留守番《るすばん》させて、このスープの見張《みは》りを言いつけた。毎朝出て行くまえに肉と野菜《やさい》をなべに入れて、ふたに錠《じょう》をかってしまう。そしてぼくのすることはそのにえたつのを見るだけだ。ぼくはスープのにおいをかいでいる。だがそれだけだ。スープのにおいでは腹《はら》は張《は》らない。どうしてよけい空腹《くうふく》になる。ぼくはずいぶん青いかい。ぼくはもう外へ出ないから、みんながそう言うのを聞かないし、ここには鏡《かがみ》もないのだからわからない」
「きみはほかの人よりかよけい青いとは思えないよ」とわたしは言った。
「ああ、きみはぼくを心配させまいと思ってそう言うのだ。けれどぼくはもっともっと青くなって、早く病気になるほうがうれしいのだ。ぼくはひじょうに悪くなりたいのだ」
 わたしはあきれて、かれの顔をながめた。
「きみはわからないのだ」とかれはあわれむような微笑《びしょう》をふくんで言った。「ひどく加減《かげん》が悪くなればみんなが世話をしてくれる。さも
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