ことをよく知っていた。
わたしたちはもう出て行く時刻《じこく》になった。出かけるまえにわたしは長く持つようにいい火をこしらえて、ジョリクールを毛布《もうふ》の中にすっかりくるんだ。かれはまたさけんで、できるだけの力でわたしをだきしめた。やっとわたしたちは出発した。
雪の中を歩いて行くと、親方はわたしに今夜はしっかりやってもらいたいということを話した。もちろん一座《いちざ》の主《おも》な役者たちがいなくなっていては、いつものようにうまくいくはずはなかったが、カピとわたしとでおたがいにいっしょうけんめいにやれるだけはやらなければならなかった。なにしろ四十フラン集めなければならなかった。
四十フラン。おそろしいことであった。できない相談《そうだん》であった。
親方はいろいろなことを用意しておいたので、わたしたちがすべきいっさいのことはろうそくの火をつけることであった。けれどこれはむやみにつけてしまうこともできない。見物がいっぱいになるまではひかえなければならない。なにしろ芝居《しばい》のすむまでに明かりがおしまいになるかもしれないのであった。
わたしたちがいよいよ芝居小屋にはいった
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