。どこへ行っても食べるには金が要《い》るし、宿屋《やどや》へとまれば宿銭《やどせん》を取られる。それにねむる場所を見つけるくらいはたいしたことではなかった。このごろの暖《あたた》かい季節《きせつ》ではわたしたちは野天にねむることができた。
さしせまっているのは食物だ。
一休みもせずに、わたしたちは二時間ばかり歩き続《つづ》けたあとで、やっと立ち止まることができた。そのあいだ犬たちはたのむような目つきでしじゅうわたしの顔を見た。ジョリクールは耳を引《ひ》っ張《ぱ》って、絶《た》えずおなかをさすっていた。
とうとう、わたしはここまで来ればもうなにもこわがることはないと思うところまで来てしまった。わたしはすぐそこにあったパン屋にとびこんだ。
わたしは一|斤半《きんはん》パンを切ってくれと言った。
「おまえさん、二斤におしなさいな。二斤のパンはどうしても要《い》りますよ」とおかみさんは言った。「それでもそれだけの同勢《どうぜい》にはたっぷりとは言えない。かわいそうに、畜生《ちくしょう》にはじゅうぶん食べさしておやんなさい」
おお、どうして、むろんわたしの同勢にはたっぷりではなかった。
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