《さる》が親《おや》がにを殺《ころ》したから、かたきを討《う》ちたいと言《い》いますと、栗《くり》は、
「にくい猿《さる》だ。よしよし、おじさんがかたきをとってやるから、お泣《な》きでない。」
と言《い》いました。
それでも子がには泣《な》いていますと、こんどは蜂《はち》がぶんとうなって来《き》て、
「かにさん、かにさん、なぜ泣《な》くの。」
と聞《き》きました。
子がには猿《さる》が親《おや》がにを殺《ころ》したから、かたきを討《う》ちたいと言《い》いました。すると蜂《はち》も、
「にくい猿《さる》だ。よしよし、おじさんがかたきをとってやるから、お泣《な》きでない。」
と言《い》いました。
それでも子がにがまだ泣《な》いていますと、こんどは昆布《こんぶ》がのろのろすべって来《き》て、
「かにさん、かにさん、なぜ泣《な》くの。」
と聞《き》きました。
子がには猿《さる》が親《おや》がにを殺《ころ》したから、かたきを討《う》ちたいと言《い》いました。すると昆布《こんぶ》も、
「にくい猿《さる》だ。よしよし、おじさんがかたきをとってやるから、お泣《な》きでない。」
と言《
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