猿かに合戦
楠山正雄
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)猿《さる》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)ある日|猿《さる》と
[#]:入力者注 主に外字の注記や傍点の位置の指定
(例)[#ここから4字下げ]
−−
一
むかし、むかし、あるところに、猿《さる》とかにがありました。
ある日|猿《さる》とかにはお天気《てんき》がいいので、連《つ》れだって遊《あそ》びに出ました。その途中《とちゅう》、山道《やまみち》で猿《さる》は柿《かき》の種《たね》を拾《ひろ》いました。またしばらく行《い》くと、川《かわ》のそばでかにはおむすびを拾《ひろ》いました。かには、
「こんないいものを拾《ひろ》った。」
と言《い》って猿《さる》に見《み》せますと、猿《さる》も、
「わたしだってこんないいものを拾《ひろ》った。」
と言《い》って、柿《かき》の種《たね》を見《み》せました。けれど猿《さる》はほんとうはおむすびがほしくってならないものですから、かにに向《む》かって、
「どうだ、この柿《かき》の種《たね》と取《と》りかえっこをしないか。」
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