かちかち山
楠山正雄
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)いつも畑《はたけ》に出て
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)四、五|日《にち》
[#]:入力者注 主に外字の注記や傍点の位置の指定
(例)[#ここから4字下げ]
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一
むかし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがありました。おじいさんがいつも畑《はたけ》に出て働《はたら》いていますと、裏《うら》の山から一ぴきの古《ふる》だぬきが出てきて、おじいさんがせっかく丹精《たんせい》をしてこしらえた畑《はたけ》のものを荒《あ》らした上に、どんどん石《いし》ころや土《つち》くれをおじいさんのうしろから投《な》げつけました。おじいさんがおこって追《お》っかけますと、すばやく逃《に》げて行ってしまいます。しばらくするとまたやって来《き》て、あいかわらずいたずらをしました。おじいさんも困《こま》りきって、わなをかけておきますと、ある日、たぬきはとうとうそのわなにかかりました。
おじいさんは躍《おど》り上《あ》がって喜《よろこ》びました。
「ああいい気味《きみ》だ。とう
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