宇宙爆撃
蘭郁二郎

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)外《そ》らす

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「蠢」の「春」に代えて「亡」、第3水準1−91−58]《あぶ》
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       一

 所長の発表が終ると、文字通り急霰のような拍手がまき起った。
 その中でただ一人木曾礼二郎だけが、呆然とした顔つきで、拍手をするでもなく、頬をほころばすでもなく、気抜けのように突立っていた。
「おい、木曾君――」
 ぽんと肩を叩かれて、はっと気がつくと、すでに研究所の中庭にあつめられていた所員たちの姿は、ほとんど去りかけていた。勿論、いつの間にか壇上の老所長の姿も消えてしまっている。
「どうしたんだ、ばかにぼんやりしてるじゃないか」
「……いやあ」
「はっは、腐ってるんだな、わかるよ、腐るな腐るな」
「いやあ、何も……」
「ふっふっふ、いいじゃないか、希望を持て希望を――、何も今度ぽっきり[#「ぽっきり」に傍点]のことじゃないんだからな、きっと俺たちも行く
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