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まがり木に檐をもたせて造れども夏は涼しき草葺の屋根

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山階宮の御歌会に侍りて、夏海といふことを。
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紀の海や夏の追風《おひて》に由良の埼漕ぎごころよき朝びらきかな

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子規。
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滝なして水沫《みなわ》さかまく宇治川に鮎釣りがてら聞くほととぎす

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明治二十七年七月十二日、人人と一日百首催しけるに、いみじく暑さ日なりければ。
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暑さには己が家すら草まくら旅ごこちして置きどころ無し

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宇治に遊びて。
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菟道川《うぢがは》や蛍を見ると板橋の桁《けた》にもたれて更けぬこの夜は

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蜩四首。
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夏深き鳴滝山のひぐらしは水の音よりすずしかりけり

秋風に肌《はだへ》す
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