首。
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内日さす都めぐりの里つづき咲く梅しろき朝ぼらけかな
梅が香をそよ吹き入れて衣架《みそかけ》のころもに香る春の朝風
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明治二十三年の春。
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六十路あまり八とせの春は越えぬれど心老いせぬものにぞありける
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人人と、嵯峨へ花見にまかりて。
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山のかぜ花に吹くなりひと羽《はね》に千里《ちさと》おほはん大鳥《おほとり》もがも
花守もこころ狂ひし人と見ん桜のもとに酔ひて寝たれば
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明治二十五年の秋、周防国徳山なる照幢の許に遊びにまかりける途中。
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周防《すは》の国|玖珂《くが》の鞠生《まりふ》の浦漕げばうらさびしくも秋の浪立つ
周防《すは》の海かぜふきかはりみなの曲《わた》黒雲いでて秋の雨ふる
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そこに冬までありて、京に上らんとする時。
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