ことを。
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今年よりうき世のがれてしげれ松千とせは己が齢とぞ聞く
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河内国花田の里の愛染院に宿りて。
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立ちのびて照る日ささふる蔭もよしやがて穂に出ん麦の下窓
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大和国八木の里にまかりし時。
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秋涼し天の香山《かぐやま》夜あくれば耳無《みみなし》かけて白き霧立つ
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東山西大谷を過ぎて。
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古塚の苔の上《うへ》しろく露おきて宿るも清し有明の月
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山階宮の御歌会に、虫を。
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荒れはてし壁のくづれの柱根《はしらね》におなじ夜寒《よさむ》のこほろぎの啼く
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秋草三首。
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異草《ことくさ》は枯れゆく秋の初霜に痩せさらぼへる犬蓼の花
咲くままに萎れざりせばなかなかに
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