賀に。
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七十路の歳にたわまぬ猛男《たけを》には老の奴《やつこ》も怖ぢおそるらん

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酒。
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須須許理《すすこり》が世に醸《か》みそめしことなぐしほど過《すぐ》さずば事やなからん

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水車。
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ゆくりなくうき世につれてめぐるらん水におさるる井出の小車

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天田鐵眼の髪おろして林丘寺に入りし時。
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入りて見よ心のおくに何かあらん山や山なる水や水なる

水のいろ香もなき雲の身にしむは世に静なる人にこそよれ

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わが尚絅といふ名は、若かりし日に、国学の師八木立禮大人の詩経より撰びて賜ひけるなり。
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つたなさに上《うへ》に襲《おすひ》は掩へども下《した》に錦を著ぬがはづかし

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鳥羽重義の六十の賀に寄松祝といふ
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