まの本性《うぶ》に逆《さか》はぬ事とわざ行ひゆかばつつみ無からん
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或る時。
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おもしろのこの木のふりや曲《まが》るにもほどのよければ人の咎めず
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西山にまかりて。
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行末もむかしも聞かんその名さへ慕はまほしき千代の古道《ふるみち》
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明治二十七年の冬、人の乞ふままに。
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秋津島やまとの民は外国《とつくに》と戦へば勝つ神随《かみがら》ならし
雪ふかき荒野の上に御軍《みいくさ》の臥すと思へば我も寒けし
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おなじ年、わが子大圓の征清軍隊慰問使として真言宗より遣され行くに。
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もろこしへ心たぐへて親も行く一人の旅とゆめな思ひそ
国のため軍《いくさ》に向へ父母にこころなおきそ道をつとめて
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次の年の夏、韓国にあるわが子寛の重き病|煩《
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