の道にも惑ひもとほる

[#ここから3字下げ、1行20字組みで]
うばらの花を見て。
[#ここで字下げ、20字組み終わり]

はしけやしうるはしき花の色と香に刺《い》のある木とは思はれぬかな

刺《い》はあれどうるはしく咲く花うばら我は色なく老いてしぼむを

[#ここから3字下げ、1行20字組みで]
青き豌豆を煮もし飯《いひ》にもまじへて食ふを好めば。
[#ここで字下げ、20字組み終わり]

蚕豆《そらまめ》とおなじ折しも花さきて蔓に実《み》をもつ豆の味はも

[#ここから3字下げ、1行20字組みで]
画讃。
[#ここで字下げ、20字組み終わり]

やさしくもあやめ卯の花さし添へし箙《えびら》背負ひて弓引くや誰

[#ここから3字下げ、1行20字組みで]
称名。
[#ここで字下げ、20字組み終わり]

朝起きて南無と称《とな》ふるこころよさ未《ま》だものいはぬ口の初言《うひごと》

[#ここから3字下げ、1行20字組みで]
梅花三首。
[#ここで字下げ、20字組み終わり]

川岸の葦のわか葉に梅ちればあたりの草も香に匂ふかな

夜《よる》は香のまさるおもへば人恋ふる心に似たる梅の初花

前へ 次へ
全79ページ中32ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
与謝野 礼厳 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング