あたりに捧ぐることを。
さて、如何《いか》に、気上《きあが》りたる動音《どよみ》の
君が秀《すぐ》れし詩才を称《たヽ》ふることよ。
君は常にときめく韻《ゐん》をもて歎きながら
わななく熱き胸を語り給ふとこそ覚《おぼ》ゆれ
さて、また、楯形《たてがた》の菫《すみれ》の花なる君が目は
常に涙さしぐみつついますならめ。
○
来《きた》りぬ、わがかひなの中に。さて共に身を忘れぬ。
開《ひら》けかし、美くしき歯に満ちし君が口《くち》を。
わが舌は穿《うが》ち入《い》る。
さながら君が心を舐《なむ》るここちに。
底本:「太陽」博文堂
1913(大正2)年6月号
※「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に基づいて、底本の旧字を新字にをあらためました。
※底本の総ルビを、パラルビにあらためました。
※底本の署名には、「よさの ひろし」とあります。
入力:武田秀男
校正:門田裕志
2003年1月24日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、
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