も居る。
十九番目に母親に抱かれて法王の前にすわった小さい男の子は起ちあがるとすぐ、
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阿母《かあ》ちゃん。
ひやっこい、かたいお手々《てて》だよ!
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と叫ぶ。母親はすぐその子の頭を胸に押しつけて仕舞う。
それと同時に扉が静かに開いてキョトキョトした落つかない口調で老爺が云う。
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老爺 只今のお坊《ぼん》様、ヘンリー四世とか云う王様から偉う、いかめしい身なりのお使者が見えましたで。
御病気であらっしゃると申したら、大きな声で、
「それを聞きに参ったのではない」とこの爺《じい》を叱りましたじゃ。
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人々の群の裡からヘンリー四世の名を聞いて罵のつぶやきが起る。
成行をわずらう様に僧の顔をのぞき込む者の数が多い。老僧は法王の考えを聞きもしないで老爺を先にたてて無言のまま出て行き、祝福は今まで通りつづく。
かなり時が立ってから老僧は渋い苦しい顔をして入って来る。
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老僧 お聞きなさいまし
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