しょう、
 あんなに奇麗な外套には泥の「しみ」がいっぱいついててねえ。
 真青な顔の上に髪が乱れかかったあの王の前のお師様はほんとうに立派だった。
 濡れた着物のまんま私共をにらみながら、
 「仲なおりをしよう」と下手に出ておっしゃた王の眼は、今思い出せば随分謀み深い色だったけど――
 ねえその時に、そんな事に気のついたものが一人だって有っただろうか、きっとなかったに違いない。
 私達は、あんまり上熱《のぼせ》すぎたんだ。
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二人は顔を見合わせて淋しく笑う。
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老僧 お得意になってか――
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向うを向いたまんま云う。二人はフット口をつぐむ。それから又話しつづける。
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第二の若僧(声をひそめて)ねえ私達はほんとうに巧く「わな」にかかった。
 ほんとうに巧者にだまされてしまった。
 震える身をじかに床に御据なさって、「もう仲なおりの時が来たのじゃ」と王がお云いなされた時の御師様は――まるで登る朝日の様にお見えな
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