じゃあありませんか。
第一の若僧 私は死んでから天国に行く事よりも今都に居る事の方が望ましい。
神が天国をお教えなさるのも地獄をお教えなさるのもそれを恐れて生きて居る世を天国にして暮す様にさせ様ためになさった事だ。
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第二の若僧は都をしたう心に堪えかねた様に部屋をしのび足に歩き廻る。
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第一の若僧 まあ都へ帰る帰らないと云う事は別にしてこないだうちの事を思い出す毎にどれだけ、ほんとうに、今の身分が悲しいなさけないものに思われるんだか。
只考えて御覧なさい、あの時の事を。
雪が埋るほど積った日に、わざわざカノサまでヘンリー王があやまりに来た時の事をさ。
第二の若僧 ほんとうにあの時は今までになく目覚ましい事だった。(一人言の様に云う)
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老僧は窓の処から外を見て動かない。
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第一の若僧 七日七夜、寒さと饑に眼ばかり変に光る王が尚威厳を保とうとしたあやうい足許でお師様の前に立った時――
ほら知ってるで
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