まわしい思いをいたさせた事を己の頭に謝するのじゃと思えばよいのじゃ。
最後の勝を得るためなのじゃ。
謝したものが愚者じゃ負者だとは定められぬものじゃと云う言葉をわしが云い始める様にするのじゃ。
しがいのある事をすれば敵が一人ふえ、立派なもののうしろにはいつもみじめな影のさすのはきまった事なのじゃ。
わしはこれから「カノサ」に参って法王に会うて参らねばならぬ。
只わしを偉大なものに致すためにのう。
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王は長椅子によって深い溜息をつきながら小さくまたたく燈火を見ながら極く低くつぶやく。
[#ここで字下げ終わり]
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王 わし自身のためじゃ、
最後の勝利を得るためなのじゃ。
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首をたれて右の手でそれを支う。
[#ここで字下げ終わり]
[#地から1字上げ]静かに幕
第二幕
第二場
場処
イタリー、サレルノの一農家(法王の仮居する家)
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景 舞台の略《ほぼ》中央に、貧しいながらも白い清潔な帳を垂れた寝台が置いてある。
その囲りには古い家具
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