諸国における一切のブルジョア政党の中には自己の手に指導権を集中している人々の小集団によって形成された秘密の内閣が存在している事を知らない者があろうか?」
 プロレタリアート独裁の国家にあって、共産党はかくの如き方法で広汎なる大衆と結合し、それを指導しているのだ。
 世界資本主義国の間に流行するソヴェト同盟に関するデマゴギーの種類は雑多であり、それらのデマゴギーは常にブルジョア世界観の卑劣さ、自信のない利己主義を曝露している。ソヴェト同盟におけるこのプロレタリアート独裁の問題も革命当時から最も多くの塵埃をぶつけられた問題であった。ブルジョア共は、階級としてのプロレタリアートの独裁を歪めて、いつもレーニンの独裁であるとか、スターリンの独裁であるとか云った。最も嗤《わら》うべき例として、ソヴェト同盟は国家保安部《ゲー・ペー・ウー》の独裁であるというものさえある。
 日本においても、これらのデマはブルジョア・地主的天皇制[#「天皇制」に×傍点]の政府によって、盛んに撒き散らされている。しかし、プロレタリアートはプロレタリアートの独裁[#「独裁」に×傍点]が資本主義から共産[#「共産」に×傍点] 
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