ために退却すべきかを、革命的プロレタリアートが学んだ時期であった。ツァー[#「ツァー」に×傍点]の野蛮な弾圧は、謂《いわ》ゆる「黒百人組」等によって、革命的分子を追及した。
 次の死刑判決の数は、この時期の反動がいかに凄惨を極めていたかを如実に物語るものだ。
[#ここから2字下げ]
 年度        ――宣告数
一九〇七年      一、六九二
一九〇八年      一、九五九
一九〇九年      一、四三五
[#ここで字下げ終わり]
 この反動の時期に、幾多の小ブルジョア分子は、困難多い地味な闘争に堪え得ないで、非合法活動の放棄、清算主義と「合法的舞台の全部的放棄」の「左翼」清算主義に走った。我々は我国の三・一五、四・一六の後に起った、解党派、新労農党結成、或は一揆主義的極左主義的偏向を想起することが出来る。レーニンは、かくの如き日和見主義的動揺に対して真に断乎として、党の革命的目標を動揺さす分子と闘い、非合法党による合法と非合法の弁証的結合を正しく指示した。
 一九一〇年以来、新しい革命的昂揚の波がたかまってきた。ストリピンの農業改革、重工業の発達、ストライキの激増がみられた
前へ 次へ
全59ページ中24ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング