無題(十三)
宮本百合子
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「道標」のため
○猿の毛皮 矢はず形についだ茶色の猿の毛皮 余りおもくなくて丈夫な
○ガローシをぬぐ つぎに外套をぬぎ すき間風をふせぐためにくびのまわりにまいているネッカチーフをとる。そうするとどんな女もほっそりと小さくなってなかみから現れた。
「ナターシャがはじめての舞踏会へ行ってむかれて現れる」面白さを思い出す。
丸っこい体の伸子さえ小さい女になって外套のなかからあらわれた。そして、ザールをぐるぐる歩きまわる。
○急にみかんの匂いがする 平土間の席、
○レーニングラードのN
濃いまつ毛が美しいかげりを与えるというより病犬のようなうるさい感じ。
「春のある冬」のため
○「比較のない」ということが伸子をうれしさで一杯にした。比較しようとして思い出そうとしても、それに符合して思い出せるどんな瞬間もない。それはしんそこからうれしいことだった。
○はじめての夜
それは苦悶のような思い出だった。
だ
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