語っている。報告文学が書かれたが、その場合でさえ、森田たまのように、自分[#「自分」に傍点]が前線でどんなにもてなされたかということを語るに急な例さえもあった。内地から来る彼女のために、タンスをそなえつけようとして間に合わなかったと云われたという風に。第二に、報告風の文章でさえも、「兵隊さん」に対する一種独特な感傷と、指揮者に対する信じられないような服従の表現がつかわれていて、敬語と下手の物云いとが、すべての婦人作家の報告的文章にあふれている。「おめにかゝる」何々して「いられる」その指揮者の「お子さんがた」「御自身の口から」云々。婦人作家自身、女ながらもと飛行機にのり、弾丸の来るところへ出てゆく、その行動と、文筆の表現の上に目立つ特別に封建風な敬語の矛盾は、当時の情報局が、そうさせたという限りのものなのだろうか。日本の女性は、いつも二重の重荷を負わされて来ている、働く女として、同時に古い女として[#「女として」に傍点]の約束によって。いつも上官の前では小腰をかがめているこれらの婦人作家の前線報道は、そういう環境で「日本の女」というものに対して何が期待されていたか、推測するにかたくないよ
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