四股をふんでいる姿であったのは面白い。
 数年前『婦人公論』に短篇を発表した時代の小山いと子は、その作品のテーマを、意に添わない家庭生活の中に生きる女性の苦悩において描いていた。ところが、婦人作家がそういう題材を選ぶときまって日常生活の中で周囲からの世俗的できびしい悶着をおこし、少くない面倒をかもし出す。そんな理由からも、小山いと子という作家は段々「熱風」や「オイル・シェール」を書くように変化して行ったのであろうか。
 この作家は、特長として、自然発生の生活力をもっていて、一種の行動性もある。おさえられている環境のために、絶えず刺戟され発熱している人生衝動がひそんでいる。そのためもあって、多くの婦人作家たちのように、あの気持、この気持を綿々と辿って、そこに女の文学と云われる曲線を描き出してゆくような文学境地を狭く息苦しく感じるらしい。そして、よりひろい空間と、よりひろい社会の場面に自分をふれさせ其を描きたい欲望が、彼女を「熱風」や「オイル・シェール」に向わせた。その意味では、婦人作家の中の異色ある性格として、積極に見られてもいいであろう。しかしながら、彼女がそういう作品に関心を示しはじ
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