女の生活が、民衆の福利という民主主義及び社会主義の観点から考えられ行動されて来た。其につれて、婦人問題の中心は次第に参政権問題ではなくて婦人の労働条件、母性保護の問題にうつり、婦人がこれまで対男子の問題として来たすべての矛盾苦痛は、彼女たちの労力によって利得する階級とその利得を得てゆく方法とへ向けるものとして視点がのびて来た。例えば、女が一日一円以下の賃銀で九時間から十二時間働くから、男が失業するというような、働く男女が互に利害の上で衝突し合うような仕組みとされている現実に対しても、これまでのように働く女を働く男の邪魔と見ず、その根柢に横《よこたわ》る男女共通の勤労階級としての利害を理解して、しかもその上に、女の母性が必要とする様々の条件を見て行こうとする段階に歩み出して来たのである。
 婦人の動きのこの足どりは、当時日本ばかりでの現象ではなかった。大戦の間男に代って生産に従った婦人たちのイギリスでは、この戦争の後、婦人の参政権が認められた。アメリカの労働組合の活動に婦人が大幅に活動しはじめたのもこの前後である。
 当時約十七万人ばかりの「職業婦人」と呼ばれる層は、主として女学校や専門
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