あり、それを信じることによって女の運命もひらかれるという視点から見られていることである。自身たちの社会的条件のなかにある封建的なものとたたかうのに、封建的という語彙さえ知らなかった当時の若い人道主義者たちは、同時に自分たちのお尻についている痣として、自分たちの環境からしみ込まされている女に対する封建性を全く自覚しなかったということは何と深い暗示だろう。
『白樺』が、同人の中に社会的な出生を同じくするような若い婦人を一人も持たなかったということには、外見にあらわれている現象よりも深刻な歴史が、その蔭にたたみ込まれている。生活環境の伝統が上流の若い女のひとに、芸術を趣味以上につきすすんだ仕事とすることを許さなかっただろうし、又、『白樺』の人々の生活は、婦人の才能を、それとして自立させ人類的に成長させる手伝いをするよりも妹、愛人、妻、母として自分たちの生活を肯定してついて来る愛の道すじにおいてより美しく彼女たちの美と成長とを見ようとする傾向がつよかったことがよくわかる。
これに対して、当時、社会的な生活の向上をもとめて熱烈な表現をしていた若い女性たちの多くは、地方から文化の中心である東京へ
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