ソヴェト同盟干渉戦争[#「干渉戦争」に×傍点]に着手している。プロレタリア・農民の女の生活はこういう状態の下で、切ない男の生活より更に切ない最悪の条件におかれている。資本主義が行詰ると、女と子供とを一層むごく搾りはじめる。男の半分以下の賃銀でこき使うばかりでない。帝国[#「帝国」に×傍点]主義戦争[#「戦争」に×傍点]に働き手である夫や兄を奪われ、一番惨めな境遇に立つのはプロレタリア・農民の女だ。しかも資本家地主の狡さ極まりないことには、こうして搾りつけるに便利なようにと、処女会だの御用雑誌だのをつかって、プロレタリア・農民の女の文化の程度を何処までも奴隷的な低さに止めて置こうとする。あらゆる職場で、資本主義社会の髪も抜け落ちる程、婦人を搾取しながら、いざとなると「何だ女のくせに生意気な! おとなしくしろ!」と、どやしつける。――どやされても引込まなくなったのが、今日のプロレタリア・農民の婦人大衆だ! 婦人の階級闘争の場面は、決してストライキ、農村争議だけには限られていない。毎日の台所に、出産の床に、八百屋で買う一銭の葱の中にまでしみとおっている。プロレタリア文学はくまなく、此等の現実
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