山したかもしれない。私は、今まで尊がられていたいわゆる慈善だとか見栄の親切だとかいうものを、お前方のためを思うばっかりで、散々に打ち壊した。追い払ってしまった。
けれどもその代りとしてあげるものはどこにあるか?
私の手は空っぽである。何も私は持っていない。このちいっぽけな、みっともない私は、ほんとうに途方に暮れ、まごついて、ただどうしたら好いかしらんとつぶやいているほか能がない。
けれども、どうぞ憎まないでおくれ。私はきっと今に何か捕える。どんなに小さいものでもお互に喜ぶことの出来るものを見つける。どうぞそれまで待っておくれ。達者で働いておくれ! 私の悲しい親友よ!
私は泣きながらでも勉強する。一生懸命に励む。そして、今死のうというときにでも好いから、ほんとうに打ちとけた、心置きない私とお前達が微笑み合うことが出来たらどんなに嬉しかろう! どんなにお天道様はおよろこびなさるか?
私の大好きな、私を育てて下さるお天道様はどんなに、「よしよし」と云って下さるか! あの好いお天道様が。……
善馬鹿の死骸は夜になってから見つかった。
隣村の端れの沼に犬を抱いて彼は溺れていた。
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