だという不思議な様子にすっかりびっくりした。
彼等は片隅に集って、
「ちゃんみたえな大人でもおっかねえんだなあ。――」
「ほんになあ、やっぱりおっかねえと見えら。――」
とささやきながら大人共と死人とを見くらべていた。
男の死骸が下されたのは、それからやや暫くして村に一人の巡査と墓掘りが来てからのことであった。
突張った体が戸板の上に置かれ、濡れて解き難くなった手拭を長いことかかってどけると、傍に立っていた一人は、思わず飛びしさって、
「新さんでねえけえ? う? 新さんでねえかよーッ!」
と、気違いのような声で叫んだ。
急に周囲はどよめいて、沢山の頭が肩越しに一つの顔を覘き込んだ。
「や! 新さんだぞ! 新さんだぞ、こりゃあ!」
「どれ? ちょっとどいて見ね。や! ほーんによ! こりゃあ一体あーんとしたこった!」
「あげえな親孝行息子をとうとうあの鬼婆奴が、こげえな情ねえざまにしくさった! さっさとくたばれっちゃ、ごうつくばり奴!」
皆は、単純な心で死ということを恐れているところに、あんなに人の好いおふくろ思いの新さんが、昨日まで口も利いていたのが僅かの間にもうこんな情ない様
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