んだもん。おめえ云い出したのでねえけえ。なあ?」
「うん、そうよ」
「そうとも。おめえ云い出したんでねえけえ? 行ってこーよ!」
「おめえ行ってこ。俺等ここで、待ってんべ!」
 行って見ようかと云い出した者はすっかり困ってしまった。で、チッチノホー(じゃんけん)して負けた者が行こうと云っても、何といっても、仲間はきいてくれないので、とうとう、彼が一番先に立ってそのあとから皆が付いて行くということに定まった。
 彼の小さい心は、好奇心と恐怖で張りきり、鼓動が耳の中でしているように感じられた。逃げ出したいほど気味は悪いけれども、もうこうなったからには「弱え奴等」にアッと云わせるだけ強そうでなければならないと覚悟を定めて、彼は、肩を怒らし大股に進んで行ったのである。
 けれどもこの驚くべき勇士の決心は、赤肌をした松の幹の高い所に、二本の青い人間の足がブーラ、ブーラとしているのを見出した瞬間、何の役に立ったろう! 彼はサッと青くなって、跳び上りざま仲間へ向って、
「首縊《くびかか》りだぞッ!」
と叫ぶや否や、蹴飛ばされたように墓石の間をすり抜けて、往還の方へ逃げ去ってしまった。
 この意外な一
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