ほんに俺《おい》ら話してえことがうんとある」
新さんは穏やかな愛情に満ちた眼差しで、まじまじと怒ったようなおふくろの顔をながめた。そして、静かに微笑して頭を動かした。
「なあ、おっかあ! 俺《お》らおめえに相談しとかにゃなんねえと思うことがあるんだが……」
「…………」
「急にこげえなことー云うと、おっかあ気い悪くすっかもしんねえが、俺らもうとうてい助からねえと思ってる。そんで、早く家の仕事うちゃんとするもんを定めときね、誰でもええ。おめえのええと思う者を定めたがええと俺ら思ってる」
おふくろは妙な顔をしたが、いきなり大きな声で怒鳴った。
「なにいあてこすり云ってけつかる! よけいなこと世話焼かねえですっこんでろ、馬鹿奴! 俺らに貴様の心ん中が分んねえと思うんか?」
「まあ、そげえに怒んなよ、おっかあ! 俺らあてこすりでも何でもねえ、ただ思ってること云ったんだ。……俺ら、北海道さ行《え》がねえ前のことを思うと、ほんに今が辛え。俺ら何んでもおっかあにつくそうと思ってんだ。どんなこってもええ、おめえの思ってんことーすっかり俺れに打ちあけてくんねえか! なあ、おっかあ、俺らはもうどんほど
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