こむかもしれない戦争を挑発しつつ、そこにはびこるのは、根づよくのこっている日本のファシズムである。日本は、ファシズムの危険により多くさらされていると、国際的に見られているのは正しい。ニューヨークでは「世界平和のための文化科学会議」がもたれ、ソヴェト同盟からも作家ファジェーエフ、音楽家ショスタコヴィッチほか数名が代表として出席している。四月二十日からパリでひらかれる「平和擁護世界大会」へは、日本からも二十余名の人々が招待された。ファシズムに抵抗し、日本と世界の平和のためにたたかうのは、こんにち日本のわたしたちにとって、最も普遍的な生存上の権利である。
[#地付き]〔一九四九年四月〕



底本:「宮本百合子全集 第十六巻」新日本出版社
   1980(昭和55)年6月20日初版発行
   1986(昭和61)年3月20日第4刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第十二巻」河出書房
   1952(昭和27)年1月発行
初出:「青年新聞」
   1949(昭和24)年4月12日号
入力:柴田卓治
校正:磐余彦
2003年9月14日作成
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