〇パーセント。電力アメリカ八九パーセントに対して一一パーセントである。輸送力の上にもひらきは小さくない。鉄道一五パーセント。大道路世界の二パーセント。動力による輸送二パーセント。食糧では、人口と耕地面積比率においてソヴェトが安定しているのは、自然であろう。近代戦争の決定的要素は鋼鉄、石油、輸送力である。この数字を見て、日本のわたしたちは、ソヴェトが戦争をけしかけているというファシストの宣伝が事実上の根拠をもっていないことを知るのである。
 横田氏は、またソヴェトの国家予算の内容を検討していられる。これも面白い。ソヴェト一九四七年度国家予算の総支出は三六一二億ルーブルで、そのうち軍事費は一八パーセントの六八五億ルーブルであった。これを一九四六年度に軍事費が国家予算総支出に対して四二パーセントに当っていたのに比べると、比率において半分より減っている。減った軍事費が、社会文化費にまわされて二〇五億ルーブルふえた。去る一月三十日に発表された一九四八年度予算でも軍事費は総支出の一七パーセント。昨年より一パーセント減って、金額で二五億ルーブル減である。そして社会文化費は三三一億ルーブル増している。
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