平和の願いは厳粛である
宮本百合子
−−
【テキスト中に現れる記号について】
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#地付き]〔一九五〇年七月〕
−−
朝鮮に戦争がおこってから、世界じゅうの平和運動は目立って活溌になり、真剣さを加えた。日本の五人の名流婦人たちが、「非武装国日本女性の講和問題についての希望要項」をダレス国務省顧問に託して、アメリカの世論に平和を訴えたことは非常にいいことだった。文学、宗教、婦人運動、教育などの分野でそれぞれの業績を重ねて来ているこれらの婦人たちが、その母としての立場、主婦としての経験から、名誉ある彼女たちの知慧の叫びを街々のつましい主婦の声に結んで、世界に平和をアッピールしたことは、正しかった。世界の良心ある人々は、日本の代表的立場の婦人たちが平和を守ろうとして、その決意を示した声明をうけとって、はじめて彼らと共通な日本のヒューマニティというものを実感しただろうと思う。『女性改造』が、五人の婦人たちの声明を中心に、平和への希望のために多くの頁をさいていることもわたしたちすべての女性のきょうの要求にぴったりする。
平塚らい
次へ
全4ページ中1ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング