闘争は、究極の目標としてプロレタリア革命への急速な転向(世界の革命力の高揚に応じて)をもつのみである。「最後の階級的勝利=プロレタリアの権力確立のためにこそ、日本の特殊な歴史的条件による民主主義革命は成功的に行われねばならず、民主主義革命を成功的に遂行するためには、民主主義革命における農民とプロレタリアートのかたい同盟とプロレタリアートのヘゲモニーが欠くべからざるものなのである。」民主主義革命においても指導する階級はプロレタリアートでなければならぬ。そこにプロレタリア革命への門がある。
「日本のプロレタリア文学は二重の役割をになっている」と亀井は書いているが、労働者農民の権力樹立への闘争と民主主義獲得のための闘争とは二元的に並列するものでは絶対にない。日本におけるプロレタリア革命への現実的条件として民主主義革命はプロレタリア革命の有機的前駆をなすものであり、花とその苞の如き関係にあるものと理解されるべきである。従ってプロレタリア文学者の任務は階級闘争の全戦線とともに封建勢力との闘いにおいてプロレタリア文学のヘゲモニーの確立のために闘うことにある。日本のプロレタリア革命が民主主義革命を前
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