に、一九四一年十二月九日、太平洋戦争とともに戦争に非協力な共産主義者として投獄されました。一九四二年七月、巣鴨拘置所で熱射病のため危篤に陥ってからのち、一年ほど言語障害と視力障害に苦しみました。視力障害はこんにちもつづいています。一九四五年秋以来、創作のほかに可能の最大な範囲で講演、各種の委員会、選挙闘争など活動をつづけ、一昨年夏、第一回文化会議の直前高血圧と心臓機能障害によって医師から活動の制限をうけました。
  その後、昨年夏、再び心臓障害と高血圧に苦しみ、十二月、電気写真によって心臓の肥大と左室機能障害、尿中に多量の蛋白が発見され、絶対安静をいいわたされました。
  十七年危篤に陥ったとき腎臓をいためていたまま戦時中手当ができず、その後の活動によって慢性の難治な状態になっています。十二月から三月ごろまで尿毒症の危険があり、視力喪失の危険もあったので様々の治療を試みています。また医者も通院を禁止して来診しています。昨年十二月末からまだ外出せず面会も制限されています。半年以上散歩のための外出もしない状態は、自己満足というにあまり遠い事情です。もしわたしが自己満足してこたつにあたって暮
前へ 次へ
全16ページ中8ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
宮本 百合子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング