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一 宮本百合子の作品は大衆によまれていない。書記長は三行以上よめない。階級性がなくて多面性がない。観念的である。
二 宮本百合子は、ごうまんで天狗になっている。現代の紫式部と自任し、うぬぼれ、自己陶酔して、こたつにあたったような暮しをしている。
三 立候補しない。だから党的に成長しない。
四 宮本百合子を評価することは他の党員作家に対して有害である。
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 以上の項目の若干についてある程度の訂正もされたようですが、とりあえず全体としてかんたんに事実をあきらかにいたします。
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一 私の作品が大衆にどの程度よまれているかいないかということは、出版統計や職場の図書部や文学サークル、図書館その他に調査の大体が示しています。去る三月九日のアカハタにもしるしたとおりであり、これらについては反覆する必要はないでしょう。
  文学運動について多少とも冷静に客観的事実を重んじる人は、それが従来の民主的プロレタリア文学の読者層をより広く開拓したことは率直にみとめています。そのことはそれに満足するということでないのはも
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