森閑として、長雨に洗い出されたかたい小石がちのひろい路が、清潔に寂しく通っている。
第一建物の店で、トラックの心配が出来るというのも、明石の手前が通れないというのなら現実性のないことである。結局、十一時に姫路を出て加古川までゆく汽車にのることとなった。
加古川から明石まで歩くとすれば七里あった。
「どうです、奥さんに七里歩けますか」
「七里はとても駄目ですね。――けれどもね、あなたは大阪までだから、明石まで七里、元気を出して一日にお歩けなさるでしょう。先へ行って下すって本当に結構です。おかげさまでどんなにかたすかったのですもの」
列車がひどくおくれているのに気をもみ、しきりに線路の前方をのぞきながら、善良な支店長は、更に一層明石までの道のりが、ひろ子に歩けそうもないことを苦にした。
「折角、愉快に道づれになってもろうて、途中で妙なことせたら、寝ざめ悪うてかないませんよ」
「そういう風にお思いにならないでいいのよ。折角気もちよく道づれになったんだから、これから先は私の足相応に、あなたはあなたの足の力で、お帰りになっていいんですよ。全くそうよ。愉快な道づれが、しまいにお互の荷厄介にな
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