供っぽい眼つきをして、ひろ子が云い出した。ひろ子にそう感じさせる日々の空気があるのであった。
「そうおしませ! それがようあります。さわ子もどんなによろこぶかしれんし」
「ね、本当に行っちゃおう」
そんな話をしたのは午前中であった。昼飯につや子が上ってきて、干しものがとりこまれてあいている軒先の綱に目をとめた。
「はや、干しものすんででありますの」
「どうやら乾くだけは乾いたらしいわ。まだまだあとが一仕事だけれど……」
食後休みをしているときつや子が訊いた。
「縫子はん、こんどは、えらい目にあわせて、すみませなんだのう。いつお帰ってでありますか。――もうこちらはよろしうありますから」
ひろ子が苦笑いに笑い出した。
「もうよろしい、はあんまり正直ね」
「きょう、そろそろいにましょういの」
「ね、つや子さん、私縫子と一緒に田原へ行って来ようと思うけれど、どうかしら」
「ほん、不自由させつめて、すみませんの。田原じゃったら家もきれいし、御馳走もあってじゃから……」
「そういうわけじゃないのよ。汽車が不通でどうせ動けないからね。今のうち田原へ行って置こうと思うのよ」
「ほん、それがよろし
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