拠がないことも分っている。
 母をかこんで、ひろ子、二人の若い従妹たちが坐っている裏の板じきで、つや子は一人で働き出した。
「子供らをここへねかしたままで、どうなろう」
 登代が術なさそうに立ち上った。
 子供らを一人ずつ抱いて上り、二階に一同の寝具をうつした。降りて来てみると、つや子は物も云わず細い体で一枚一枚畳をめくり上げている。つや子の口をきかない働きかたには、何か体全体で示しているきびしさがあって、特にしげの[#「しげの」に傍点]を、おどおどさせた。
 女手ばかりであげた畳を、台の上につんだ。店の間の畳を、二つの樽に板をわたした上に積みあげられた。
「おばあちゃん、その辺に油の樽があったじゃろ」
 それも片づけられた。タバコ店の方に置かれていた衣裳箱を、縫子と何度にもかいて、高いところへ移した。
 ひろ子は、あぶなっかしく床板ばかりになった敷居の上にもんぺ姿で立って、働いているうちは耳につかなかった雨音が、また一段劇しくなったのをきいていた。すると、台所の方にいたしげの[#「しげの」に傍点]がけたたましく、
「あら! おばさま!」
と叫んだ。
「どうで?」
 登代がいそぎ足でそ
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