い時分の話をきくのである。風は日一日とすさんで雪の降りつもった山からは、その白さが下へ下へと流れて来る。
始めての雪の降った前の晩の寒かった事と云ったら、私でさえ、床の中でガタガタするほどだった。
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「寒くはないか。
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ときく祖母の声さえ震えて居たので私は女中に湯タンポを入れさせた。
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「お前が居なければ、私が云うまで気をつけて呉れるものはない。
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祖母が涙声で云った時、私は、急に母の居る処へ飛んで帰りたいほどの、どうしていいか分らない、悲しい様な淋しい様な気持になった。私は「何故こんな処へ来たのか」と悔む様な気持になりながら涙をこぼして眠ってしまった。目を覚した時は二時頃だったろう。
あんまり風がはげしい。雨や風のひどい時は、恐ろしい様な気持がして眠られない私はきっと、この風の音に眼をさまされたのだろう。障子のガラスについた小障子をあけて雨戸のガラスをすかして見ると、灰を吹きつける様に白い粉が吹きつけると一緒に、ガタンガタンと戸がゆすれる。こんなにもひどい吹雪を見た事はなかった。始めの間
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