組み]“The day is cold and dark and[#ここで横組み終わり]
小雨のうす暗く降る空を見ながら誦すと一人手に思いが深くなる。
[#ここから横組み]“my thoughts still cring to the past.”[#ここで横組み終わり]
○幸、不幸、それははかりしれないものが司って居る。今の私は忘られ行く過去を憶う人とはなると思えない。
六月二十二日(月曜)
[#ここから20字下げ、折り返して24字下げ]
〔摘要〕欠席
[#ここで字下げ終わり]
見えない小雨がして居る。
大工のかんなやかなづちの音もいいかげんにうるおうて響く。
内に居る日に見えない小雨はなつかしいものだ。
六月二十三日(火曜)晴
○五月雨時にまれな天気である。頭が軽い。
○大瀧さんに葉書を書く。
○紫陽花《あじさい》の群が重く咲き満ちた。
○白鳩の若き翼に夏の日の
黄金の色に舞ひ舞ひてあり
○若楓の青きを恋ひてしたひよれば
黒き毛虫は我肩を這ふ
○梨の葉の云ふ甲斐もなくしぼみ行きて
来ん日はなどしさうも愚や
七月六日(月曜)
不義の
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